【ネタばれ】「Withering Rooms」クリア後の感想

[ Play No:#0150 ]
[ 2024/7/19 ]

Withering Roomsをクリアしましたので感想です。

[ https://witheringrooms.com/ ]

Withering Roomsはローグライトとソウルライクを融合したサイドビューのアクションRPGで、正しくないかもですが、どうやら一人で製作されたタイトルのようです。ゲームの基本はアクションですが、ステルスすることもできるようになっていて、一言で言うとリッチになったクロックタワーかな?主人公はナイチンゲールという15歳くらいの女の子がモスティンハウスという夢の館で謎解きの冒険をするという内容です。

クリアしてみて感じたのは、世界観がよくて歯ごたえがあって、インディーとしてはとても完成度の高いゲームだなということ。ローグライトとソウルライクをうまく融合できているし、サイドビューではあるけどモデリングは3Dで作られていてリッチに感じられるし、バグも多くはなかったので、個人的には結構好印象なタイトルです。ただ、残念なところも結構大きくてお気に入りのタイトルとはならなかった作品でした。

世界観は終始暗い感じだけど、ちょっと温かみもあっていい雰囲気

このゲーム、肝心のアクションは後術するようにアレなんですが、自分が一番惹かれたポイントは音楽でした。各ステージで流れるBGPがどれも雰囲気にマッチしたものが多く耳障りのいいオリジナリティな曲が気持ちよかったです。若干ホラーが入ったゲームなのでポップな曲というわけではないですが、スローテンポの曲が多くゲームの不思議な世界を演出するために大いに役立っています。精神的に急かされたり不快に感じるようなものはほとんどなく、むしろ安心したり癒される感じのメロディが多かったので、ステージの移動がちょっと楽しみに感じるほどでした。そして種類も豊富で部屋ごとに異なっているのも飽きさせないという意味でよかったです。

世界観は抜群によかったです。モデリングは決して緻密ではないですが影のつけ方とか汚れなんかを丁寧にやっているので、オブジェクトの使いまわしはあっても、世界観を壊さないように配慮されているのははっきりとわかりました。ローグライトなので死亡するたびにステージの配置やオブジェクトの並びが変わりますが、上手に作成されていてすごいと思いました。

人物のモデリングは基本的にいかつめに作られています。口は動かず、表情は変化しません。率直に言って主人公含めてキャラクターは全く魅力的ではありませんが、暗くて沈んだ雰囲気のモスティンハウスでは化け物はより怖く、人間のキャラクターは魅力的に見えるようになっていてバランスはとてもよかったと思います。リトルナイトメアで感じた世界観に近いと思いました。あと、敵の種類が豊富なのもよかったですね。

主人公はそこそこ作りこんであるほう。口も眉も一切動かない

このゲームで、これはアカンなんとかして、と思ったのはマップ。

プレー画面上にマップを重ねて表示することができますが、ゲーム画面上のキャラクター向きとマップのキャラクターの向きで矛盾が生じているので、めちゃくちゃ見づらかったです。一つの部屋だけを見た場合は全く問題ないし、左右の部屋のつながりも問題ないですが、奥の部屋に移動した場合には矛盾が生じて強烈に違和感を覚えます。マップの表現を変えるか、ゲーム画面の構成を変えるかして矛盾をなくしてほしかったです。

これならいらなかったかもと思えるマップ。でもなければかなりきつい

もう一つの難点は戦闘でした。戦闘では敵の攻撃を回避する必要に迫られますが、デフォルトで回避時の無敵時間がないので完全に回避するのはほぼ無理です。一般的なソウルライクではタイミングさえ合えばキャラクターの重なりとは関係なく完全回避できますが、このゲームではタイミングに関係なくオブジェクトが触れるとヒットしたことになるので、タイミングでよけることができません。

しかも敵は空中でも方向転換をしてくるので敵の後ろに逃げるのが困難で、回避による戦闘の楽しみ方が殺されていると感じてがっかりでした。一応アイテムによって回避時に無敵になるというのもあるのですが、ほとんど効果を感じることがありませんでした。

敵の硬さはいいとして、空中で方向転換はやめてほしい。立ち回りは若干調整不足に感じる。

ちなみに攻撃に関しては特に不満はなかったです。物理にしても魔法にしても戦闘するのに困ったところはありませんでした。ローグライトなので、死ぬと所持しているアイテムやマップ情報は失われますが、ゲーム内でのギミックで一部のアイテムは失われないように保存しておけたり、もともと失われないアイテムもあったりするので、アイテムを失う恐怖というのはそれほど大きくはなかったです。

あと、UIが若干使いにくかったり、敵の挙動が明らかにおかしかったり、バグがちょいちょいあったりしました。ローカライズも基本的にはよくできているんですが、英語圏のニュアンスを訳しきれていないので細かなところでよくわからない言い回しがありました。ストーリーも頑張って練られたんだろうなというのはわかるんですが、特に斬新な展開というわけでもなく、ローカライズの出来もあって、こんなものかなという感じでした。

メニューとショートカットで手数があまり変わらないので、結局メニューしか使わなかった

Withering Roomsはインディーゲームとしてはかなりの完成度のゲームで、アクションゲームが苦手でなければお勧めできるタイトルであることは間違いないですが、個人的にちょっと残念なゲームでした。

プレーNo#0150
タイトルWithering Rooms
発売日2020/4/5(PS5)
プレーしたプラットフォームPS5
プレー期間2024/6/25~2024/7/18
プレー時間58時間
評価3

ユキムラ
  • ユキムラ
  • なるべくいろんなゲームをプレーしたいと思いながらも、アクションゲームをプレーすることが多いライトゲーマー。購入したゲームはできるだけクリアすることを目標にしています。なるべく毎日配信しています。