【ネタばれ】「Deliver Us Mars」クリア後の感想

[ Play No #0146 ]
[ 2024/5/23 ]

Deliver Us Marsのクリア後感想です。

[ https://www.deliverusmars.com/ja-JP ]

Deliver Us Marsを一言で表すと宇宙版トゥームレイダーです。つまりストーリーに沿って一直線にゲームが進行して、途中簡単なパズル要素やパルクールをこなしていくアクションアドベンチャーゲームです。基本的には三人称視点ですが、無重力状態での探索や相棒のロボットによる探索パートではところどころ一人称視点となります。

舞台は2068年の地球、地球の環境は限界に近づきもう少しで人類が地球に住むことができなくなるぎりぎりの状況で、地球を救うために努力を続けるwsaという組織と、そこに所属する親子の絆を描いたお話となっています。主人公はキャシー・ヨハンセンという女の子、年は15,16歳くらい?知識が豊富で技能にも長けているけれど経験だけが不足していて、ちょっと先走りすぎるところあるけどとてもしっかりした女の子です。

ストーリーを簡単に説明すると、危機的状況になってしまった地球環境を救うために、天才技術者集団のアウトワードが作ったアークという巨大宇宙船を火星から持ち帰るミッションオペラが計画されます。アウトワードは過去にその能力から先に月に移住した人たちで後に地球を見限ってアークに乗って火星へ向かったという設定になっています。主人公はオペラ計画に参加して火星を目指しそこで放棄された状態のアークと出会います。ところが3隻あるはずのアークを捜索中にいろいろあって主人公は火星へと降り立ちます。

キャシーはそこで生き延びながら、wsaを離反したアウトワード、そしてアウトワードの中心的なメンバーであるお父さんの思惑と真実を探っていくという内容となっています。

ちなみに、この作品はDeliver Us The Moonというタイトルの続編みたいです。このブログを書くために調べて今知りました。

環境モデリングは最高に美しい

ここから簡単な感想です。

このゲームは発表された当初からずっとプレーしたいと思っていたので、今回遊ぶことができてよかったです。ストーリーはドラマチックですし、演出もかっこよく、環境の作りこみもきれいだったので全体的にシネマチックなゲームとなっています。おおむね楽しくプレーすることができたのでプレーしてよかったです。しかし、後術するダメポイントのためにゲーム体験はトレーラーの印象よりもかなり低かったのが残念でした。

プレーする前、トレーラーなどを見た印象ではトゥームレイダー(リブート版)っぽいなと思っていましたが、遊んでみた印象もやはりトゥームレイダーっぽかったなと感じます。トゥームレイダーと違うところとしては、このゲームは探索が中心というか「移動 = 探索」で、戦闘もないので、武器などの装備変更や成長要素がないところです。クライミング用のピッケルは持っていますが、手動で持ち替えることはできず必要な場面では自動で持ち替えてくれます。唯一の飛び道具であるレーザーも使える場面は限られていて、人を殺すことはできずオブジェクトを切断するときだけ自動で使えるようになるという具合です。なので、印象的にはかなりライトなトゥームレイダーといった感じです。

個人的にこのゲームでよかったと感じるところは主人公の造形と環境のきれいさです。元々、このゲームをプレーしたいと思ったきっかけが主人公の顔が好みだったからなのですが、ちょっとモデリングが雑なところもありますが、やはりかわいかったです。主人公にはモデルがいて、本人もとても美人な方ですが自分はゲーム内キャラクターのほうが好きでした。ただ、想像していたよりもかなり子供だったのが意外でした。トレーラーを見た感じでは20代中ごろくらいかなと思っていましたが、おそらく15,6歳くらいの設定だと思います。

環境モデリングについては文句をつけようがないくらいよくできていたと思います。見せ方のうまさも相まってとても美しかったです。そこに人が立っているだけで絵になるポイントが何か所もありました。フォトモードがあるのもうれしいところです。

あとローカライズもよくできていると思いました。日本語ボイスのおかげで移動中の会話も聞きやすいし、感情面もわかりやすかったので助かりました。キャラクターともよく合っていたと思います。声だけではなく、宇宙船内の壁面に書かれた案内なども日本語になっていたので直感的に判断できるのも遊びやすかったです。

赤いピッケルを下げてパルクールといえばトゥームレイダーしか思い浮かばない

基本的にはよくできているし、好きなタイトルではあるんですが、ちょこちょこと・・・いやかなり目につくところがりました。箇条書きにするとこんな感じです。

・プチフリが頻繁に発生する

・カットシーンでカメラ切り替え時の微細動

・操作性がよくないところがある

・フォトモードが操作しづらい

・今一つのめり込めないドラマ

・人形のような造形のサブキャラ

・カットシーン以外ではキャラがボー立ち

・ドラマの演出でキャラクターの表情や動きが不自然なところがある

先述のように環境モデリングはとてもよくできているのですが、それ以外では全体的にシステムと演出で作りが甘いなと思うところが多数ありました。それぞれは小さいことなので問題とまではいかないですが、ゲーム体験として足を引っ張られる感じはありました。個人的にはプチフリなどのシステム的な部分はいいとして、主人公以外の人物のモデリングや演出の作りこみをもう少し力を入れてほしかったです。

まず、基本的にサブキャラの造形は人形のようで不気味なんです。髪の毛や髭の生え方が気持ち悪いくらい不自然だし、目には生気が感じられないので親しみがわかないどころか、ちょっとした恐怖でした。そして演出面では、カットシーン中に動きのない人物はボー立ちのことがよくあるし、声優は力の入ったいい演技をしているのに動きや表情が合っていないこともあるし、手抜きまでは言わないですが明らかに力を入れていない感じが伝わってきて残念でした。せめてサブキャラの不気味さだけでも取り除いておいてくれたら満足度はもっと上がったと思うだけに惜しいです。

フォトモードを使うと時間を忘れるくらい楽しい。でも操作性は、、、

Deliver Us Marsは、テーマはありがちですが環境モデリングを中心に全体的によくできたゲームだと思います。アクションも自分にとってはそれほど難しくなかったので、トゥームレイダーが普通に遊べる人であれば力を抜いて楽しむことができると思います。半面、特筆するような特徴のないゲームでもあるので、自分のように主人公に惹かれるとか、あるいはSFが好きであるとか、そういう興味の引かれる部分がないのであれば手を出すのはお勧めできないタイトルです。

プレーNo#0146
タイトルDeliver Us Mars
発売日2023/2/3(PS5)
プレーしたプラットフォームPS5
プレー期間2024/5/11~2024/5/18
プレー時間14時間
評価3
ユキムラ
  • ユキムラ
  • なるべくいろんなゲームをプレーしたいと思いながらも、アクションゲームをプレーすることが多いライトゲーマー。購入したゲームはできるだけクリアすることを目標にしています。なるべく毎日配信しています。